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住まいの選択

2026.01.21

第4回 賃貸vs持ち家、30代共働き世帯が選ぶべき「一生困らない住まいの戦略」

 

住宅検討を始めると必ず直面するのが、「賃貸と持ち家、結局どっちが得なの?」という疑問です。特に30代の共働き世帯にとっては、今後の教育費や老後資金を左右する極めて重要な選択です。

前回までのコラムでは、東京23区の家賃が可処分所得の約40%を占めるほど高騰している現実や、郊外(相模原・県央エリア)へ目を向けることで住居費を劇的に抑えられる可能性をお伝えしました。

今回は、この「永遠のテーマ」を現代の経済状況に合わせて徹底比較し、共働き世帯にとっての「正解」を導き出します。

 

賃貸と持ち家、損得の分岐点は「インフレ」にある

これまでの日本では「家賃を払い続けるのはもったいないが、持ち家はリスク」という議論が平行線を辿っていました。しかし、ここ数年で前提条件が大きく変わりました。それが「インフレ(物価上昇)」です。

 

1. 賃貸の損得:身軽さと引き換えの「上昇リスク」

賃貸の最大のメリットは、ライフステージに合わせて住み替えられる「身軽さ」です。しかし、第1回でお伝えした通り、東京23区の家賃は31年ぶりの上昇率を記録しています。

  • リスク: インフレが進むと家賃は上がりますが、一度借りた家のローン返済額は(固定金利なら)上がりません。

  • 老後の不安: 賃貸は一生払い続ける必要がありますが、現役時代と同じ家賃を年金生活で払い続けるのは、家計調査のデータからも非常に厳しいことがわかっています。

 

2. 持ち家の損得:負債という名の「資産形成」

持ち家のデメリットは、簡単に引っ越せないことや修繕の責任です。しかし、共働き世帯には強力な武器があります。

  • 住宅ローン控除と団信: 住宅ローン控除による節税効果に加え、団体信用生命保険(団信)が「生命保険」の代わりになります。万が一の際、家族に無借金の住まいを残せるのは持ち家だけの特権です。

  • 資産としての価値: 完済すれば、その家は「住居費ゼロで住める場所」または「売却して現金化できる資産」になります。

 

30代共働き世帯が「持ち家」で得をする3つの理由

特に30代で住宅購入に踏み切ることは、金銭的なメリットを最大化しやすいといえます。

 

① ローンの完済年齢が早い

35歳で購入すれば、70歳で完済です。定年延長が進む現代では、現役時代に大部分を返し終えることができます。一方、40代後半や50代からの購入では、老後資金を切り崩して返済するリスクが高まります。

② 共働きによる「ペアローン」の活用

夫婦それぞれの収入を合算してローンを組むことで、借入可能額を増やしつつ、夫婦ともに住宅ローン控除を受けることができます。これは共働き世帯だけの大きな経済的メリットです。

③ インフレ耐性が強い

日経新聞の試算にもある通り、家賃は「遅れてやってくる物価高」です。今後も物価上昇が続くのであれば、今のうちに低金利で住宅価格(返済額)を固定してしまう方が、将来の家計管理は圧倒的に楽になります。

 

相模原・県央エリアが「最強の損得勘定」を叶える理由

「持ち家が得」といっても、無理をして23区内に1億円のマンションを買っては元も子もありません。そこで重要になるのが、前回提案した「エリアの選択」です。

 

「資産」と「余暇」の黄金バランス

相模原・県央エリアで4,500万円の戸建てを購入した場合、月々の支払いは約12万円前後(変動金利0.75%想定)。

  • 23区の賃貸(家賃24万円): 年間288万円が「消費」される

  • 相模原・県央エリア(月12万円): 年間144万円が「資産形成」に回る

この「月12万円の差」こそが、将来の教育費や、家族旅行、そして老後の安心感を生み出す源泉になります。同じ支払い額で考えれば、23区の賃貸より圧倒的に「広く、新しい」環境が手に入り、家計には月々10万円以上の余裕が生まれる。これこそが、共働き世帯にとっての「真の損得」ではないでしょうか。

 

数字を超えた「人生の損得」:ゆとりこそが最大の資産

最後に、お金の計算だけでは測れない「損得」についても触れておきます。

狭い賃貸で子供の足音に気を使いながら過ごす10年と、広い庭のある家でのびのびと子供を育てる10年。どちらが「得」な人生でしょうか。 30代、40代という人生で最もエネルギッシュな時期を、どのような環境で過ごすか。その価値は、どんな資産価値の騰落よりも重いものです。

 

将来の選択肢を増やすために、今「資産」を持つ

「賃貸か持ち家か」の答えは、「将来、自分たちが自由に使えるお金と時間をどれだけ残せるか」にあります。

家賃高騰が続く23区で消費し続けるよりも、戦略的に「通勤圏の戸建て」という資産を持ち、日々の支払いを抑えて貯蓄に回す。この「攻めの住み替え」こそが、30代共働き世帯が最も得をする戦略です。

まずは、10年後、20年後の家計簿をイメージしてみてください。その時、手元に残っているのは「積み重なった家賃の領収書」ですか? それとも「家族の思い出が詰まった、価値あるマイホーム」ですか?

選択肢を広げる勇気が、あなたのご家族の未来をより豊かなものに変えていくはずです。